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橋下・松井府政 知ってほしい7つの「検証」
藤井聡教授(京都大学)の分析を紹介します。    
◆出展http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/09/23/fujii-161/

《 目 次 》  (ワード文書 8ページ ダウンロード)
【検証1】橋下・松井府政は、過激な「緊縮」路線である。
【検証2】橋下・松井府政は、大阪の景気を凋落させた。
【検証3】橋下・松井府政(による景気低迷)で、府民所得が低下した。
【検証4】橋下・松井府政(による景気低迷)で、財政は大幅に悪化した。
【検証5】橋下・松井府政は、中小企業を冷遇した。
【検証6】橋下・松井府政は、「都市計画」を大幅に劣化させた。
【検証7】橋下・松井府政は、「教育」を大幅に劣化させた。

『維新政治が進めてきたこと』 市民が自分考える政策ディスカッション第2回市民集会
(大阪自治体研究所編「雇用・くらし・教育再生の道」2014年12月から引用しています)

1.市民生活向け予算の大幅削減

(1) 市民サービス切り捨ての嵐に立ち向かう住民の運動が市議会に反映する
大阪府知事・大阪市長のダブル選挙の投票日から1カ月後の2011年12月27日、橋下市長、松井知事、そしてこの日に特別顧問に委嘱された上山信一、古賀茂明、堺屋太一、原英史の四氏らが加わった第一回大阪府市統合本部会議が行われました。
 会議では4年後に大阪都を実現することをめざした「大胆」な議論が交わされました。堺屋特別顧問が知事・市長に対して事業・予算削減の目標や枠組みを持つように促すなかで「役所に限らず、世の中に存在するというのは全部理由があるんで、理由のないものはあるはずないんです。だから、理由を言い出したら全部生き残っちゃう」との発言が飛び出します。市民の声を一切聞かない橋下市長の姿勢を予見させる発言でした。
 これを受け松井知事は「(府市の予算は)8兆円規模ですから、一割で8000億円、5%で4000億円と、こういう財源を見つけたい」と応じます。カジノ誘致を含む巨大開発のための「財源を見つけたい」という本音が吐露されたのです。
議会無視の大阪府市統合本部での議論と結論によって大阪府・市の事業には廃止・民営化の嵐が吹き荒れます。大阪市では2012年からはじまった「市政改革プラン」による施策・事業の「見直し」によって3年間で378億8300万円もの市民サービスが削滅されました。2011年ダブル選挙で「敬老パスは維持します」としていましたが、有料化が強行されました。橋下市長はあらゆる事業の民営化や廃止をめざし各部局に号令を掛け続け、大阪市解体への作業を進めています。
 しかし、堺市長選挙以後の情勢の変化と地域での住民運動の高まりによって、維新政治への批判の声が議会に大きく反映し、大阪都構想に関わる多くの条例案が大阪市会でストップしています。市議会内では大阪都構想や事業の「民営化」に対するスタンスの違いを超え、維新の会による違法・無法の「暴走」への批判を共有しながら、維新の会を除く野党の結束が強まっています。

(2) 公共交通の充実で市民の交通権の確立めざすとりくみ
・赤バス(福祉バス)廃止反対運動から交通権の確立にむけた運動へ
 大阪市の赤バスは2000年5月の試行運転開始後、運賃は100円均一の「福祉バス」として運行されてきましたが、橋下市長の民営化方針のもと2013年3月末に廃止されました。
 2009年3月に大阪市交通局が、赤バスが市営バスの赤字体質の一因だとして、全廃を打ち出しましたが、「赤バスでなければ病院や買い物に行けない」市民の切実な声が出されるなか「赤バス存続を求める市民連絡会」が発足してねばり強いとりくみが続けられました。
 このとりくみは大阪市内で進行する高齢化や「買い物難民」の増加の実態を踏まえ「市民の交通権を確立する運動」へと発展するとともに、幾つかの行政区では市民の運動によって区独自に民間事業者に委託したコミュニティバスを運行させる成果を上げています。

・二重行政ではない黒字の地下鉄を民営化する
 大阪府に同様の事業がない市営地下鉄は二重行政ではありません。また、2013年度決算では333億円という過去最高の利益を上げ、2005年度以来の黒字経営が続いており、経営面からも民営化する必要はまったくありません。
 大阪府市統合本部で地下鉄民営化にとりわけ熱心な上山信一特別顧問が民営化後の株の配当に言及し、儲かる事業こそ民間企業に売りわたす新自由主義の主張を繰り返しています。この本音をごまかすため交通局は「民営化」すれば固定資産税などで67億円の納税が可能になり大阪市財政に貢献できると宣伝しています。しかし、地方公営企業法18条2項には「利益の状況に応じ、納付金を一般会計に納付するものとする」と規定されており、これに沿って黒字分から納付すれば「民営化」しなくても十分貢献できるのです。地下鉄建設では建設の2割を一般会計から出資しており大阪市は2011年度末で累計3411億円も出資しています。大阪市への納付額を仮に大阪市債(30年)の利子を参考に出資額の2%として計算すると68億円となるのです。
 また、過去最高の利益を使って南海トラフ地震の対策、可動式ホームの設置、エレベーター・エスカレーターの必要な個所への設置、さらにはバスと連携した交通ネットワークの構築を念頭にしたバス事業への支援など、市民の安全と交通権を保障するためのとりくみが求められています。
 地下鉄・市バスの民営化条例案は、2013年3月市会で「継続審議」となって以来5回も採決が見送られてきました。可決には3分の2以上の賛成が必要であり、採決が注目されます。

(3) 住民多数の声で包囲する住吉市民病院の廃止
 大阪府.市が運営する自治体病院を民営化する方針は2012年5月~6月の大阪府市統合本部でスケジュールが出され、その後大阪府医療戦略会議が基本ヴィジョンを発表しました。
 その内容は、住吉市民病院(住之江区)の廃止と府立急性期総合医療センター(住吉区)への統合から始まり、「規制改革」や健康・医療分野での成長戦略と密接な関係を持たせながら外国人の富裕層も対象にした先端医療・再生医療を担う「医療特区」の創設、さらには府市病院の統合で「大阪病院機構」を設立するという壮大な計画となっています。しかし、自治体病院という位置づけは消え失せ、住民の生活圏に根ざした地域医療への責任放棄が懸念されます。
 住吉市民病院は、住之江区・西成区・住吉区を中心に小児・周産期医療で地元に欠かせない役割を果たしてきました。地元町内会が集めた4万筆を含め反対署名は7万筆に達し、医師会や開業医も懸念を表明し大きな運動が展開されました。大阪市は2013年2月になって病院の跡地に民間病院の誘致を表明せざるを得なくなり、3月に廃止条例が可決されましたが、跡地に小児・周産期医療を担う民問病院を誘致する付帯決議が行われました。
 その後、大阪市は民間病院の事業者を選定したと発表しましたが公募要項にある小児科の常勤医師が確保できないため契約に至らず、橋下市長の圧力によって低レベルの民間病院の誘致が画策されています。いま、地元地域では「(改悪された)再公募要項の撤回と見直し」「公立病院としての建て替え」を求める粘り強いとりくみがすすめられています。
 参考文献「大阪の水・地下鉄・病院のあり方を考える」(せせらぎ出版・2013年)

2.子育て「日本一」は看板倒れ

(1) 待機児童の解消は基準の引き下げで実現?
待機児童の解消は保育所の増設で対応するのが普通です。ところが、維新の会は、基準を引き下げ、子どもを詰め込むことで解消しようとしています。橋下市長が大阪府知事であった時、「家庭的保育事業(保育ママ)」の面積要件の緩和、保育者の配置基準の緩和を国に求めました。その時、橋下氏は「100%の安全を求めれば保育ママは世に広がらない」「保育ママの居室面積(6畳)はばかげている」、認可保育についても「3.3㎡の線引きに何か根拠があるのか。市町村で判断すればいい」と驚きの発言をしました。
 現在でも定員以上を入所させているため、布団を敷くスペースもない状態ですが、さらに詰め込み保育を進める考えを示しました。ただし、認可保育所を計画的に増設するのではないため、本当に待機児童が解消できるかはわかりません。

(2) 市民の反対を押し切って保育水準の切り下げなどを断行
 大阪市が発表した「市政改革プラン」には下記の内容が盛り込まれました。①保育所の職員配置基準を5対1にするための大阪市単独補助金を廃止。②保育料の値上げ。③民間保育所で働く職員の給与を改善するための民間社会福祉施設職員給与改善費補助金の廃止。④家庭的保育補助金を廃止して保育ママ事業への移行。⑤福祉施設水道料金減免制度の廃止。⑥公立保育所の民営化。⑦公立幼稚園全園民営化。⑧乳児院の夜間勤務軽減のための非常勤職員補助金の廃止などです。
 保育関係者は1700件を超えるパブリックコメント、陳情書、議員懇談など行いました。その結果「慎重の上にも慎重を期し」という付帯決議がつきましたが、大阪市議会で1歳児の職員配置基準を6対1、保育室の面積は子ども一人あたりすべての年齢で1.65㎡とする大変貧しい「大阪市児童福祉施設最低基準条例」が可決されました。ちなみに国基準は0.1歳は乳児室1.6㎡又はほふく室3.3㎡、2歳以上1.98㎡であり、大阪市の子どもたちはきわめて劣悪な基準で保育を受けることになります。
 保育料については、保育料徴収の対象ではなかった市町村民税非課税世帯からも徴収するようになりました。そして階層ごとに300円から2000円の値上げを行いました。民問給与改善費も大幅に削減され、約1000万円の補助金がカットされた園もあります。水道料金の減免措置がなくなったため、プールの回数を減らしたり、プール開きを遅くしてプールおさめを早くするという苦肉の策がとられています。

(3) 公立幼稚園・保育所の民営化を追求
 橋下市長は公立幼稚園の全園民営化を打ち出しました。それに対して保護者や地域住民の反対運動が起こり、「市立幼稚園の全園を対象として民営化案を見直すこと」を求める陳情書が市議会で採択されました(維新のみ反対)。しかし、橋下市長は「公立幼稚園の保育料も私立幼稚園とだいたい同金額になるように上げる。そのこともふまえて市立を残さないといけないのか考えてもらいたい」と脅すような発言を行い、公立幼稚園59園の民営化をひきつづき進めようとしています。
 大阪市はこれまで公立保育所の民間委託をすすめていました。その際、実施主体は大阪市で運営を民問に委託しているだけなので何も変わらないと説明をしていました。しかし今回は、民間委託ではなく民営化を進めるとし、公立保育所に加えすでに民間委託した園も対象にしました。

(4) 学童保育つぶしを市民運動で阻止
 2011年2月27日の大阪府知事・大阪市長の同日選挙によって橋下徹氏が当選、その日の会見で市長は「わけの分からない補助金を削る」と宣言、補助金事業で運営している学童保育関係者に激震が走りました。翌年2月に出され大阪市予算は暫定予算となり、学童保育については7月までの予算しか計上されずそれ以降は白紙状態で、学童保育関係者に大きな動揺が広がりました。そして4月5日、大阪市は「施策事業の見直し」試案を発表しました。そこには「学童保育事業補助金廃止」が明記され、しかも2013年4月から実施するという強引な提案でした。廃止提案について学童保育関係者への打診などはもちろんなく、学童保育を所管する担当課との調整もなくトップダウンでの廃止提案でした。
 100ヶ所を越す大阪市内の学童保育は40年を越す歴史を積み重ねてきました。その歩みの中で、豊かな子ども文化・子育て文化を醸成し、地域での子育てになくてはならない施設として、重要な役割を担い始めています。補助金廃止案は、こうした学童保育の役割と存在を喪失させてしまう暴挙であり、廃止案が提案された直後から廃止撤回運動が中心に展開されました。市長に宛てた要望書の項目は「2013年度以降も学童保育事業を継続してください」の一点にし、撤回案発表の翌日から行動を開始、署名用紙をネットでアップ、保護者や指導員はツイッターなどを駆使し、廃止撤回を訴えました。署名運動は大阪市から大阪府内へ、そして全国へとこれまでにない規模で広がり、一週間後には約13万筆に到達しました。その結果、5月11日に発表された「市政改革プラン(素案)」では補助金廃止案が撤回されました。しかし、撤回が発表されても要望署名は止まらず、2ヶ月弱で38万筆を超える署名を積み上げ、大阪市に提出しました。
 市政改革プランによる学童保育の補助金廃止は市民的な運動で撤回できましたが、放課後施策の見直しは続いています。学童保育は継続されますが、児童いきいき放課後事業(放課後子ども教室)の「補完的」な位置づけにとどまったままです。その児童いきいき放課後事業も市が運営するのではなく、民間委託であり、さらに民間企業の参入を進めています。


3.行政の教育への介入と競争型教育の徹底

(1) 維新の会のすすめる教育改革は、何をねらつているのか
 橋下市長や維新の会は、教育の目的を「人格の完成」から、アメリカや財界が望む「戦争する人づくり」「グローバル人材の育成」「格差社会を支える人づくり」に変質させようとしています。また、政治の力で上から「愛国心」などを強要し、「競争と格差」教育を徹底させ、学校と教職員を支配し、公教育をつぶし、民営化をすすめようとしてきました。
 維新の会のねらいは、第一に「日の丸」掲揚・「君が代」斉唱など「国を愛する態度」を中心とする徳目や規範意識などを教え込むことを位置づけ、戦前の「修身」のように道徳教育を強化し、侵略戦争を正当化・美化する教科書や教育内容をおしつけ、「戦争する人づくり」をすすめることです。
 第二に、「グローバル人材の育成」を合言葉に、「エリート」育成を中心にすえた「競争と格差」の教育を一層徹底し、「全国一斉学力調査」の市町村別・学校別結果公表、土曜日授業の普及、英語教育の早期化、小中一貫校・中高一貫校の拡充、学校選択制の導入、「進学指導特色校」づくりなどを通して、一握りの「エリート」と大多数の「貧しく、従順な国民」にふるいわけることです。
 第三に、「教育行政基本条例」「職員基本条例」「府立学校条例」などで、首長の教育委員会への介入を強め、政治権力による教育支配をすすめ、権力いいなりの教職員をつくり、幼稚園の廃園・民営化、学校選択制や小中一貫校導入による学校統廃合、公設民営化など、公教育を縮小・解体し、民営化することです。

(2) 子どもを苦しめ、教育支配と公教育つぶしをすすめてきた維新教育
2008年度~2010年度
 2008年1月大阪府知事に当選した橋下徹氏は、4月「財政再建プログラム(試案)」を公表し、小学校一.二年生の35人学級廃止、私学授業料軽減助成・経常費助成を大幅削減、府立高校の教務事務補助員等の廃止などをすすめようとしました。
 府PTA協議会が中心になり、「小学校一・二年生の35人学級と学校警備員の存続を求める署名」を短期間で105万筆以上集め、6月大阪府に提出し、橋下知事に小学校一・二年生の35人学級廃止を断念させました。市町村に配置する学校警備員の予算(2007年度5億480万円)は、2009年度から2年間交付金化され、その後廃止されました。6月大阪府は、「財政再建プログラム案」「大阪維新プログラム案」を公表し、小学校3年生以上(国語・算数)、中学校(英語・数学・国語)に習熟度別学習を導入すること、公立高校に大学進学に特化した高校をつくること、私学授業料軽減助成・経常費助成を大幅に削減することなどを盛り込みました。
 2009年1月府教委は、今後10年間の大阪の教育行政のめざす方向と今後5年間の具体的取組みを示す「『大阪の教育力』向上プラン」を策定しました。「『大阪の教育力』向上プラン」は、あらゆる教育活動を数値目標化し、「全国一斉学力調査」「全国体力調査」で全国平均を上回ること、「地域の人にあいさつする割合100%」「7時より前に起きる」「毎日朝食をとる」「夢や目標を持っている児童83%以上」など、教育内容や教育方法のみならず、子どもや家庭、「内心の自由」にかかわるものまで数値目標化し、教育への不当な支配、府民の精神生活の支配にわたるものです。
 2009年府教委は、これまでの「全国一斉学力調査」の市町村別結果を公表し、点数競争をあおりました。「全国一斉学力調査」の結果が、全国平均を上回ることを第一の教育目標に掲げ、国語・算数・数学の総授業時間の約3分の1を習熟度別授業にすること、府教委が作成した単元別テストやワークブックを各学校で使用すること、反復学習を推進することなどを、市町村教育委員会や学校に迫りました。
橋下知事は、「教育日本一」といいながら、実際には教育予算を大きく削減し、「切り捨て日本一」をすすめました。2008年度には私学経常費助成の約40億円など350億円削減、2009年度201億円、2010年度32億円と連続削減し、3年間で583億円削減し大阪府の一般会計に占める教育予算は17・6%にまで落ち込み、25年間前の約半分になりました。
 また正規職員を採用せず、常勤講師・非常勤講師をあわせて11000人にまで増やし、病気・介護などで休んだ場合、長期間にわたって代替教員が配置されない状態が広がりました。俗に言う「教育に穴があく」という事態が増え、日常的に教育に支障をきたす学校が増え、教育条件の大きな低下を招きました。

2011年度
 4月の統一地方選挙で維新の会は、大阪府議会で過半数を獲得、5月府議会に「日の丸君が代強制条例」を提出し、6月3日維新単独で強行可決しました。この条例は、教職員に「君が代」斉唱・起立を強制することを通じて、子どもや父母に「君が代」斉唱・起立を押しつけ、「内心の自由」を奪うとともに権力者や支配者に従順な教職員・国民づくりをすすめるものです。
 3月には、府議会で「教育基本条例」「職員基本条例」「府立学校条例」を強行可決しました。その内容は、首長が設定した目標に到達しなかった教育委員を議会の同意を得て罷免すること・府立学校の学区を撤廃すること、3年連続で入学者数が定員を下まわった府立高校のうち、改善が見られない高校を廃校にすること、公募校長制を導入することなどです。「教育基本条例」「府立学校条例」は、政治が教育に全面的に介入し、時の政治権力に従順な教職員をつくり、財界が望む「競争と管理」教育を徹底することをねらうものです。また、「職員基本条例」は、職員の一定数を相対評価で必ず最下位評価し、2年連続で最下位評価となった職員には「特別研修」を受講させ、改善しなければ免職するなど、ものいわぬ職員づくりをねらうものです。
 これらの条例制定に対して、教職員、府立高校PTA協議会など広範な教育関係者が反対し、日本弁護士連合会会長、大阪弁護士会長、日本ペンクラブ会長声明、学者・文化人アピールなどが出されました。幅広い分野から反対の声が沸き起こり、反対運動は大きく広がり、教職員評価に相対評価を導入させないなど、条例を部分的に修正させました。

2012年度~2014年度
 府教委は、「職員基本条例」「府立学校条例」の具体化として、府教委「授業アンケート」を2012年度に試行実施し、2013年度から本格実施しました。府教委「授業アンケート」は、授業の改善が目的ではなく、保護者や子どもを利用して教員をランク付けし、教員統制に利用することが目的です。校長会・PTAなどの教育関係者、府民から反対や疑問の声が沸き起こりましたが、府教委は強行しました。
 府立和泉高校の卒業式で、教職員への「君が代」斉唱口元調査を行った中原徹校長が、2012年度より府教育長に就任し、府立学校管理運営規則の改悪、卒業式・入学式での「君が代」斉唱口元調査、府立教科書検定選定への介入などを強行し、中学校「統ーテスト」導入、小学校1年生からの英語教育をおしすすめています。

4.絆こわしの「市政改革プラン」で地域福祉施策・社協予算は大きく後退

(1) 地域福祉予算の大幅削減
 2011年秋に誕生した橋下市政は、市民の福祉・暮らし予算を3年で390億円削減する「市政改革プラン」を2012年7月の議会で可決し、次々と予算を削減してきました。市は2012年10月から、町会や社会福祉協議会(以下「社協」)も包摂した地域活動協議会(すべての住民を対象とした活動・実施組織)の立ち上げを支援するため「まちづくりセンター」を全区で設置しました。そして、2012年度内にたちあげないと2013年度は、補助金を50%に削減、13年度内に立ち上げないと補助金はゼロにすると脅し、ほぼ全小学校下で協議会を立ち上げさせた上で、地域向け補助金を大きく削減しました。
 地域福祉を推進する大阪市社協や各区の社協と地域福祉関係の事業・活動予算も、直撃を受けました。その中身は、①市・各区社協交付金の廃止・補助金化と大幅な削減・人員減、②小学校区ごとの見守り支援員である地域ネットワーク推進員316名の全廃、③中学校区ごとのCSW(コミュニティソーシャルワーカー)である地域生活支援ワーカー127名を1区1名の24名へ縮小、④高齢者食事サービスや老人憩の家補助金の削減、⑤地域の福祉施設である老人福祉センターや子ども子育てプラザの予算削減・統廃合(24館⇒18館検討)、⑥福祉事業を短期間・低予算化しての「公募」の連発など、多岐に渡り地域の絆こわしはいまも進められています。

(2) 地域の見守り機能が低下し、福祉問題は見えづらく潜在化
 大阪市では、小地域ごとの見守り機能が非常に落ちてきています。昨年3月まで地域の老人憩いの家に平日10時~16時まで常駐していた地域ネットワーク推進員がいなくなったことで、高齢者が気軽に立ち寄れる身近な相談場所がなくなりました。「今まで近隣で借りていた車椅子が地域の会館に行っても借りられなくなった」「食事サービスがいつなのか知りたくて会館に行ったが誰もいない」などの声を多く聞くようになりました。どこに行ったらいいかのわからず地域から孤立してしまう方が増え、福祉問題が見えづらくなってきています。
 町会の班単位に数人いたネットワーク委員さんも意見集約をしてくれる推進員がいなくなったことで何をすればいいのかわからなくなり、ネットワーク委員会が解散廃止・休止になる地域も出てきました。推進員は、近隣で少し気になる人の変化を、洗濯物やスーパーで出会った人との会話などから早く気づき安否確認を行ったりしていました。推進員がいなくなり、ネットワーク委員会の必要性は感じていても人が集まらず、民生委員・町会長・女性会の役員が兼務している地域も増え、支え見守る網の目が粗くなってきています。

(3) 市政改革プランで地域福祉施策が後退、社協は人員減でブラック企業化
 地域福祉活動を担う大阪市(区)社協への市交付金は、2011年度に補助金化され25%削減されました。さらに2014年度から、地域活動協議会の補助金とともに市・区社協の補助金も50%に減額し、残りの50%は自前で用意しないと市の補助金は0にすると、当初市は示していました。これに対し、社協・福祉関係者、地域住民、大阪市の地域福祉を守る会・福祉保育労働組合など多方面からの要求や市議会署名運動が起こりました。その結果、地域活動協議会の補助金は当初案を75%にまで戻し、市・区社協の補助金は2014年度予算案で再び「交付金」に戻され、2013年度と同額の各区予算(区基準7名)を計上するまでに大きく押し返しました。ただし、24区社協の職員配置は、2010年度の216名(区9名基準)からは48名の減員(1名非正規化)であり、ほとんどの区は管理者が減員され、正規職員も一名減で嘱託・非正規職員に置き換えられました。

(4) 正職配置のできない短期・低予算「公募」連発では、福祉職員は育たない!
 大阪市の地域福祉の各事業は、1~2年刻みの短期間「公募」になり、「公募」のたびに受託のための「切り下げ競争」が行われ低予算化しています。2年後、3年後も事業が受託できるのか不透明な状況で職員の非正規化、賃金水準の低下が進んでいます。非正規率は老人福祉センターで80%、要介護認定調査員は74%、生活福祉資金事務や介護予防事業ではほぼ100%という実態です。老人福祉センターは、前回指定管理者制度受託時から、既に正規職員は1名のみの配置になっており、80%(4/5人)を占める嘱託職員は全員一年契約更新、年収は約190万円(月給158、100円で一時金なし)と、"官製〃ワーキングプア状態が続いています(市・.区社協の正規職員数は、2013年度末で最大時の半数以下の約470名)。地域福祉で最も重要なのは人材です。しかし、このような状況では人材も集まらず育ちにくくなっています。

5.削減される文化予算と大阪文化の衰退

(1) 大阪文化団体連合会の活動と文化行政
 大阪の文化行政は、1973年黒田知事時代に全国に先駆けて始まりました。当時、大阪にまともな公立の文化施設が無く、それを要求する運動として「文化芸術会館の建設をすすめる会」が発足し、翌年130団体が結集して「大阪文化団体連合会」(大文連)の結成となりました。
 大文連は、「文化フォーラム」の開催、文化振興条例制定運動、文化施策充実への請願等を取り組んできました。特に、2012年の「ひとこと言いたい100人アピール」は、維新政治の文化破壊に抗議する多数の声を結集する集会となりました。

(2) 維新政治のもとで、文化行政が衰退
 橋下府政になって以来、文化芸術活動への補助金廃止・削減・文化施設の廃止などで、次から次へとこれまでの文化ストック(財産)が壊されていきました。上方芸能発行人の木津川計さんは、「いま、大阪の困難は2つある」と問題提起し、「一つは都市格の低下(つまり文化力の低下)、もう一つは、都市力の低下(言い換えれば経済力の低下)です」。「橋下知事が登場してからは、都市格は一層さがりました」。「すると大阪の魅力はなくなり、イメージが悪くなり、本社がどんどん流出する、それだけでなく、人材も流出し、かつてない人材払底都市になってしまった」(2013年1月6日、大阪民主新報.新春鼎談)。木津川さんの指摘のように朝日新聞(2014年10月10日)に「『都市力』東京4位、大阪26位」という見出しで、世界の主要40都市の調査が載りました。国際的な指数でも大阪の都市力後退が続いていることが示されました。
 維新政治のもと、この6年間に切り捨てられた府民・市民の生活関連施策は数多くあります。文化分野でも、「維新プログラム」の策定によって、施策の見直しが行われ、廃止や削減、補助金の打ち切りなどが強行されました。
大阪市音楽団の民営化、ワッハ上方(府立上方演芸資料館)の見直し、人形浄瑠璃文楽は、補助金制度を減額しました。しかし、府市文化振興会議において、大阪アーツカウンシル部会から「上方芸能・演劇を大切に」と提言され、軌道修正も打ち出しています。
他にも、府立国際児童文学館閉鎖・移転、中之島図書館廃止方針と取り消し、新美術館建設では、橋下市長の指示に反し天王寺と二館併合の方向に落ち着きました。青少年会館・精華小学校跡の小劇場等の廃館、森の宮ピロティ・厚生年金会館の民営化、五館ある市立男女共同参画センター(クレオ)の廃止等、維新政治の文化破壊は、枚挙に暇がありません。

(3) これからの府・市の文化行政はどうなるのか
 大阪都構想推進のもとで「経営形態の見直し」、「二重行政の解消」等の名目で府・市民不在の「改革プラン」「施策の切り捨て」は文化にも及びます。今年度の府の文化予算は2億4545万円で一般会計予算の0.008%しかありません。大阪市の場合は、約5億4000万円で、0.03%にしかなりません。
 都市魅力を向上させる施策の、エンターテイメントによる「集客」事業も否定はしませんが、これでは到底この大阪の文化振興など行える筈がありません。豊かな人間形成や、活力ある大阪の構築のためにも文化施策充実に必要な予算を組むべきです。

6.徹底的な組合攻撃をしてきたのは、市民本位の公務労働を変質させるため

(1) 大阪市で進めた違法な組合攻撃が断罪される
・市長の顔色をうかがい、市民に命令する立場の職員
 2012年4月2日、大阪市の新規採用職員の発令式で、橋下市長は「みなさんは国民に命令をする立場。だからしっかりルールを守らないと命令なんか誰もきいてくれない」と訓示しました。続いて、4月13日には「職員基本条例案」が審議された大阪市会で「(職員が)市長の顔色をうかがわなくて、誰の顔色をうかがうんですか」と答弁しています。
 この二つの発言により橋下市長の地方公務員像が「全体の奉仕者」ではないことが鮮明になりました。同時に勤務時間内の喫煙で1か月の停職処分など厳罰主義をはじめ職員への統制の強化は、住民イジメの行政を担う職員づくりがその本質であることを示しています。

・「職員は民意を語るな!」の真意は「市民の声を聴くな!」
 橋下市長は2011年11月27日のダブル選挙投票締め切り直後の記者会見で「政治に介入したなと思う職員は、いさぎよく市役所をさってもらいたい。やっぱりこれはいくさですから」と発言し、翌日の登庁時にマスコの取材で「民意」について自分の意見を述べた職員に「反省文」を書かせます。この出来事は、その後の更迭人事などと併せ、職員に恐怖感を与えるのに充分な効果を発揮しました。
 さらに、年末12月28日に行われた市会での市政方針演説で「市役所職員が民意を語ることは許しません。(略)民意というものを語るのは公選職、選挙で選ばれた者だけだと思っております。」と言い切りました。これは「職員は市民の声に耳を傾けてはならない」「公選職である市長の声だけに従え」と命じたものでした。
 その後労働組合への不当労働行為や職員統制の方針が次々と打ち出されます。2012年1月30日には組合事務所の「退去通告」が出され、2月9日には橋下市長が全職員に「職員アンケート」を「業務命令」で指示します。

・裁判所や労働委員会から橋下市長を断罪する命令と判決が
 「職員アンケート」の中身は思想調査です。大阪弁護士会・日弁連が反対声明を発するなど各界の批判が急速に強まり、調査は「凍結」され、その後データは破棄されました。しかし、「業務命令」で全職員に回答を迫ったことの威圧効果は、職場の民主主義を破壊する上で大きな影響を与えました。
 職員や労働組合は、不当労働行為の是正や職場の民主主義回復をめざして裁判所や労働委員会に訴えを起こし、全国からの大きな応援を受けてたたかい、2014年2月20日に大阪府労働委員会が組合事務所の不許可処分は不当労働行為だとの命令を下しました。
 続いて9月10日大阪地裁第5民事部は、組合事務所の使用をめぐる裁判において橋下市長の不当労働行為を行う意志を明確に認定し、①使用不許可処分の取り消し、②使用許可の義務付け、③組合への損害賠償を命じるという組合完全勝訴の判決を言い渡しました。

(2) 大阪府で進めた職員基本条例は府民にとって望ましいのか
 ・「職員基本条例」と相対評価制度
 大阪府や大阪市などでは、「職員基本条例」が制定され、相対評価制度の導入、職務命令絶対主義、一律的な職員削減、幹部の公募などがすすめられています。
 大阪府の相対評価は、2013年度に試行実施され、2014年度より本格実施されました。まず、これまでの人事評価制度を踏まえ、能力・実績にもとづき、絶対評価で職員を5段階に評価します。そしてその評価結果をもとに、職階ごとに職員を決められた分布の枠(第一区分5%、第2区分20%、第3区分60%、第4区分15%、第5区分5%)にあてはめ、相対評価するものです。この制度ができた背景には「公務員の身分が保障されているのはおかしい」「公務員がクビにならないのはおかしい」という考え方があることは、当時の府市統合本部会議での議論でも明らかになっています。
 府人事室は、相対評価についての結果を公表し、検証を行っています。本格実施の結果では、絶対評価でB評価の職員6070人のうち、1089人もの職員が、相対評価によって第4・第5区分に落とされるという結果になっています。絶対評価は「目標達成志向」「折衝・調整力、コミユニケーションカ」など、6つの項目について5点満点で点数をつけ、その点数によって5段階に評価されるという仕組みになっています。今回の結果では、6つ全ての項目において、「3」以上の点数がついたにもかかわらず、相対評価が第4・第5区分となった職員が全体の16%、453人もいることも明らかになりました。
府人事室が作成している「人事評価の手引き」によれば、評価項目の「3」は、「ほぼ100点のイメージ」とされています。すべての項目において、100点満点の仕事をしても、相対評価によって下の区分に落とされ、その結果、一時金(ボーナス)を減らされるという事態が起こっています。

・相対評価は「資質・能力・意欲の向上」につながらない
 「職員基本条例」では、「人事評価は、職員の資質、能力及び執務意欲の向上を図ることを目的として行う」と定めています。しかし、相対評価の本格実施にともない、府人事室が行った職員アンケート(評価対象職員の8入%が回答)では、この目的に「つながると思わない」と回答した職員が、昨年の施行実施時より6・3ポイント増え、77・6%となっています。
 さらに、相対評価について「実績・能力に差のない職員を相対評価することが難しい」「分布割合にあてはめることが困難」「職種の異なる職員を相対評価することが難しい」と評価者の65・9%が回答しています。
 こうした矛盾と問題点だらけの相対評価に対し、職場からはさまざまな不満や怒りの声が出されています。その一部を紹介します。
◆保健師(保健所勤務)「多職種が専門性と役割を果たし、連携することで機能を発揮している。チームの枠を超えて協力しあわないと良い仕事はできない。相対評価によって自分のチームの仕事が優先になれば、うまくまわるはずがない。日常的に住民と接し、そこで感じていることよりも『上司の命令・指示』が最優先されることにもなりかねない。保健師は、お互いの学びの中で、理論的にも成長し、仕事の進め方も向上させている。順位がつけられ、必ず誰かが下位評価にされるとなれば、お互いがともに成長・向上するとは考えられない」
◆ケースワーカー(福祉施設勤務)「目の前に利用者がいて、その方や家族に何が必要なのかということを考え実践することが仕事であり、職員間の連携・チームワークがとても大切。心理職、セラピスト、介護福祉士、看護師など、他職種が関わりチームアプローチしている。自分の仕事の範囲だけでは、良い支援はできない。自分も含め誰かが下位評価にされ、賃金に差をつられると考えただけでも悲しく悔しい。全員が協力し合ってがんばっても、それでも必ず誰かは下位評価になる。職員はみんな真面目なので、下位評価にされても悲しい悔しい気持ちを抱えながら、目の前にいる利用者のために、変わらず仕事をするだろう。『次は良い評価をもらおう』と思って仕事をするのではない」

・相対評価で公務労働が変質する
 多くの府職員は「よい人事評価」を受けたいと思い、仕事をしているのではありません。憲法や地方自治法を具体化し、「全体の奉仕者」として、住民福祉の向上と良質な公務サービスを提供するために、それぞれの専門性を発揮することが、やりがいと誇りをもった仕事につながります。
 相対評価の導入は、こうした職員の思いを踏みにじり、「権力者のしもべ」として自由に意見の言えない職員をつくり、「上司の命令は絶対」というトップダウンの府政に変質させるものです。
 ある職員は「本来の仕事ではない仕事の数値目標を書かされたが、いつの間にかその仕事が気になるようになっていく自分が怖い」と話していました。まさに、「住民のための仕事」が「評価のための仕事」へと変質する瞬間が表れています。

7.防災そっちのけでカジノに狂奔

(1) 自治体がカジノを推進?

 5月に行われた大阪市住民投票では、「大阪市をつぶし、2200億円の財産を大阪府に移す」という「大阪都構想」が否決されました。橋下市長はカジノ構想を「大阪都構想の試金石」とまで言っていましたが、「大阪市からまきあげた税金でカジノなんか誘致されてはたまらない」という市民の声が多数を占めたのです。
 国会でも、自民・維新・次世代の党が国会に提案していた「カジノ合法化」法案が継続審議になりました。災害が相次ぐ日本で今大事なことは、防災に力を注ぐこと。カジノのような巨大なばくち場をつくるために、何千億円もの税金を使うべきではありません。


(2) カジノのために大型開発
 大阪府と大阪市は2010年12月「大阪の成長戦略」を策定。国際的エンターテインメント都市を創出するとして、IR(統合型リゾート)を建設、その中にカジノを作ると言っています。建設予定地とされている夢洲へ乗り入れる地下鉄やJRなど鉄道インフラ整備に税金をつぎ込むのは、WTCビル、ATCビルなど、これまで失敗してきたベイエリア大型開発のくり返しです。
 JR桜島から夢洲まで1700億円、京阪中之島から夢洲まで3500億円などの予算が想定されています。

(3) すでに世界有数のギャンブル大国日本
 カジノの売り上げ世界一のマカオは、年間2兆6800億円。日本はパチンコ・パチスロだけで20兆円にのぼり、マカオのカジノをはるかに超えています。競馬など公営賭博と合わせれば日本世界有数のギャンブル大国になっているのです。
 その結果は悲惨です。すでに約536万人がギャンブル依存症に苦しんでおり(2014年厚生労働省)、犯罪、自殺、家庭崩壊などを招いています。パチンコですでに世界有数のギャンブル大国になっている日本に、なぜ大規模な賭博場カジノを新たに上陸させるのでしょうか。

(4) 今は防災に力を入れることこそ自治体の仕事
 南海トラフ地震が起きれば、大阪市の大半が浸水すると指摘されています。また、今までにない集中豪雨も予想されますが、維新府政のもとで土砂対策予算は半減、やっと2014年に回復しましたが、まだまだ不十分です。
 福井県の原発が事故を起こせば、琵琶湖の水に頼っている大阪府も甚大な被害を受けます。市民の中に自然エネルギーを活用する動きが進んでいますが、大阪市は橋下市長になって太陽光パネル設置の補助制度を打ち切りました。大阪市の太陽光発電の普及割合は全国の4分の1、大阪府は半分です。

(5) 市民の運動でカジノ関連予算削減
 大阪市は、今年度の予算に、カジノ誘致に向けて約7600万円の補正予算案を提出していましたが、住民投票後の議会で半額に削られました。
 大阪府も、今年度の補正予算案にカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致に向けた調査費約3800万円を計上していましたが、6月府議会で、全額削除しました。

(6)大阪のモノづくりの力を活かそう
 「カジノ問題を考える大阪ネットワーク」代表の桜田照雄さん(阪南大学教授)は、「大阪には自然や、モノづくりの力がいっぱいある。大阪湾は瀬戸内海でも有数の好漁場であり、野菜や果物で高い生産性を誇る農業もある。景気回復のためには、大阪の財産である中小企業への支援や、農水産業も含め、生活に根ざした産業政策こそ重要」と語っています。



シンポジウム『豊かな大阪をつくる ~「大阪市存続」の住民決断を踏まえて~』
「第三回:橋下維新大阪市政を検証する」

今回のテーマ『橋下大阪市政を検証する』より
(住民投票で存続が決まった「大阪市」の枠組みを最大限に生かしながら、明るく豊かな大阪をつくるためにどうすればいいのか、多様な学者の方々が6月、7月とシンポジウムを重ね、9月23日に第3回のシンポジウムが大阪市立大学において開催され、前半の問題提起では4人の学者が報告しました。要旨を掲載します。~文責「大阪市なくさんといてよ!市民ネットワーク事務局」)

1.藤井聡さん(京都大学大学院教授)
 維新の「民主主義」は「ブラックデモクラシー」。その4つの特徴①議論を無視した多数決至上主義。②詭弁。根拠なく否定、決めつけ、話のすりかえをして相手が間違っていると印象づける。③原論封殺。あらゆる権力を駆使して原論封殺をはかる。④プロパガンダの徹底展開。
 この4点で、橋下市長がブラックデモクラシストであることを検証する。①「多数決崇拝」については、住民投票の結果を受けて、「多数決でまけたから自分が間違い」と言っているが、多数決が常に正しいとはかぎらない。少数が正しいこともある。②「詭弁」については、住民投票での学者の所見に対して、「実務を知らない学者は大阪都構想批判を繰り返す」、「全部デマ」とまで言って、「真実」にもとづく批判を封殺しようとしてきた。③「言論封殺」については、ツイッターでの罵倒、大学・テレビへの圧力。④「プロパガンダ」はテレビなどでの大量宣伝。
 ブラックデモクラシーをこの国に蔓延させてはならない。


2.冨田宏冶さん(関西学院大学教授)
 住民投票は「なにわの市民革命」の勝利。
 自民・共産が同じ宣伝カーに乗ったり、地域でも自・共が一緒に宣伝したことは画期的だったが、日本の民主主義でSNSがこんなに役割を果たすとは考えていなかった。ネット空間で都構想反対の発信8割を超え、ネットの世界では「反対」が圧勝したことは民主主義の新しい段階。「戦争法」反対の運動でもネットによる発信が力を発揮。
 住民投票で勝ったと確信したのは、手書きビラなど、なんの組織も持たない人が自分でまいて歩くことが始まったら、相手はブラックデモクラシーを駆使しても勝てない。地方自治が民主主義の学校になった。これからの日本の政治のあり方を展望させる。
 「維新」の支持層は二重構造。何があっても支持するガチの支持層は30~40代の勝ち組ホワイトカラー(30万~40万票)。この層を崩すのは無理。包囲するしかない。ふわっとした支持層は、煽りに乗せられた20~30代の若年貧困層。
 真の対立軸を明確にしていくことが必要。*市場か再分配か *戦争か平和か *独裁か民主主義か *中央追随か自己決定(自治)か。
 これはまず堺で広がり、沖縄でもすすんだ。なぜか?分厚い保守層が分裂している。保守には、経済保守、政治保守などがあるが、地域の絆を大事にしてきた社会的保守もある。経済保守・政治保守と社会保守が音を立てて分裂している。その社会保守の人たちとの共同が進んでいる。ここに展望がある。

3.村上弘さん(立命館大学教授)
 「日本維新の会」が、2012年の衆院選挙で、比例で約20%を獲得し第3党になり驚いた。右翼政党なのに、マスコミは、第3の勢力のような報道をした。
 維新の方針である「維新八策」はひどい内容で、小さな政府と権力集中が特徴。これは「右」の特徴だが、
 これにポピュリズムがむすびつくと、「右」であることが見えなくなってしまう。ポピュリズムの特徴は、攻撃をするか利益をばらまくか。
 橋下市長は攻撃型ポピュリズム。相手を次々と叩いていくが、本当に強い相手とは戦わない。
 この間、維新が中道の票を吸収し、自民党一党優位の政治に貢献してきたが、維新を衰えさせ、野党の協力が実現すれば、この力関係は変わるかもしれない。

4.薬師院仁志さん(帝塚山学院大学教授)
 橋下氏はなぜ支持されるのか?
 民衆の知識が低いことが問題なのか?メディアが問題なのか。
 湯浅誠氏の弁「労働時間が長い人たちが、政治に関心を持つ余裕がない」に関心を持った。ヨーロッパの民主主義との違いは労働時間の違いではないか。フランスでは、5時には勤務終了。労働者は5週間のバカンスは義務。飲み屋で政治談議。政治を自分たちの問題として考える余裕がある。
 では、日本でも余裕があれば民主主義は発展するのか。そうとは限らない。なぜなら、政治を考えることが自分にプラスになるとは思われていない。公共が大事だとは考えていない。自分の幸せは自分のお金を守ること。だから議員定数を減らすことに賛成する。「俺たちの区の代表はいらないぞ」と言ってるのと同じなのに。ルソーは「いい国ではみんなが積極的に政治に参加する」と言っている。自分が幸せになるためには、自分がどんな世の中に住んでいるかということを知ることが必要。「みんながよくなれば自分も幸せになれる」。その発想がないから公務員減らせという主張に共感する。
 住民投票で誰が反対したのか、自分の暮らしの問題だと考えた人たち。転入転出率が高 いところほど賛成率が高い。もうここでずっと暮らすという高齢者が事実を知ろうとして反対。真実を知られたら、何億円かけても住民投票に負けるということを橋下はわかっていた。



とりくみ紹介
ダブル選挙版

《シリーズ~おばちゃんのひとくちトーク》①~⑮


⑤棄権は危険。まだ維新政治を続ける?の巻

https://www.youtube.com/watch?v=luQqB--1-gg

⑬水道料金の福祉減免の廃止の巻

https://youtu.be/mMB7HXvvXsw

⑭府知事の退職金ゼロのウソ の巻

https://youtu.be/0-fR1QDiHEQ

⑮大阪市職員条例ておかしない? の巻

https://youtu.be/sbsr5Z8eA24

⑥二重行政のウソ(市大・府大編)の巻

https://www.youtube.com/watch?v=HFdNu2vzdgo

⑩大阪は中小企業のまちの巻

https://www.youtube.com/watch?v=-LcHYUCbuPU

⑪維新政治の「教育費増やした」のウソの巻

https://www.youtube.com/watch?v=ltgj3KNgv2A

⑫シャープへの補助金問題の巻

https://www.youtube.com/watch?v=WohbkgQCXCo

⑦水道民営化問題の巻

https://www.youtube.com/watch?v=1rAsdOZkBQk

⑧リフォーム助成制度の巻

https://www.youtube.com/watch?v=af3gxKrEQRY

⑨WTC二重庁舎の税金の無駄遣いの巻

https://www.youtube.com/watch?v=lAgeKgdC07g


①子育て「日本一」はウソだったの巻

https://www.youtube.com/watch?v=IlrpPxUaqRs

②やっぱりいらんカジノの巻

https://www.youtube.com/watch?v=PSro10tTe2s

③大阪府赤字問題の巻

https://www.youtube.com/watch?v=bJkZALtj_O0


④住民投票は1度だけの巻

https://www.youtube.com/watch?v=mnxcMTxWkWM


「大阪市なくさんといてよ!市民ネットワーク」再開にあたって

笑福亭竹林の会

  • ◆日時:12月17日(木)
       18時00分開場 18:30開会

    ◆ ところ:天満天神繁盛亭

    ◆ 前売3,000円 当日3,500円

    ◆後援/竹林の会を成功させる会

    (お問合せ等はビラをご覧ください)


[書籍紹介]
《2015年秋から》

「大阪の都市政策を問う」

  • ◆宮本憲一・富田宏治・梶哲教・森裕之・髙山新・桜田照雄・中山徹=著

    ◆頒価:1000円


    《維新の蛮行で大阪経済、市民生活、文化に深刻な影響が出ています。都構想を実現すれば大阪経済が活性化するというばかげた議論をしていたらため、大阪経済の相対的位置が低下し続けています。
     このような蛮行や時間の浪費は11月で終わりにしようと、大阪自治体問題研究所が最新の書籍で提案。一冊1000円です》

    ◆連絡先
    ◇一般社団法人-大阪自治体問題研究所
    (TEL 06-6354-7220 FAX 06-6354-7228)